奥穂高岳南稜敗退  2026年7月

北アルプス穂高岳南稜敗退 2026年

考えが甘かった。北アルプス穂高岳南稜を登るため、練りにねった計画が崩壊した。
今年の梅雨明けが当初の予報よりずれ込んでいるのが気になっていた。
計画当日の7月21日に梅雨明が発表され、喜んだのだが、しかし同時に記録的な高温、松本で38℃にまで上がったのだ。上高地に行けば少なくても24℃位だろうとタカをくくっていたのだが、14:00現地は28℃となっていた。いつもは24℃だから+4℃は高い。

 

 

だるい、黙っていても汗が噴き出るため、汗が目に入る。当然ピッチは上がらない。上高地は標高1500メートル。岳沢小屋は2200メートルだから、差はたったの700メートル。
しかし、汗を拭く回数が半端ではない。水はある、塩分も補給し、行動食も食べた。それでも暑さの影響は収まらず、岳沢小屋まで2時間15分をみていたが、休憩回数が増えたので3時間05分となり、岳沢小屋から電話がはいる始末だ。

17:00を過ぎると通常のメニューではなく、簡単な物になるという。しかし、どうにもならない。17:10ようやく小屋に到着。熱中症の症状は出ているわけではないが、明日に影響を与えるのは確実となった。食事をしたあと、小屋の部屋で装備を整理したが、もう南稜を登る気力はなくなっていた。


とうとう初期の計画を破棄し、奥穂高岳の重太郎新道往復に切替えてクライミング装備とロープをデポして登ることにした。次の朝3:00起床しても気温は下がらず20℃を上回り生温い。4:30歩き始めてたが足取りは重い。荷を3kg軽くしても重い。
重太郎新道の登山道は傾斜がきついので、休み休みでなければ登れない。若い人たちにどんどん抜かれていく。昨年の西穂、奥穂高岳縦走時の気力体力は何処へ行ったのか?

 



暑さのせいにはしたくないが、多分そうだし、自分も歳をとってしまったのだろう。条件が悪くなれば簡単に遭難するのが高齢者だ。

GEMINIに聞いてみた
『高齢者が熱中症になりやすいのは、加齢に伴う「感覚の鈍化」「体の調整能力の低下」「水分保持力の減少」という3つの大きな変化が重なるためらしい。
加齢とともに汗腺の機能が低下し、汗をかいて体温を下げる能力が落ちる。本来は皮膚表面の血管を広げて熱を逃がす反応が働くが、高齢者はこの血管の調節機能が低下するため、体に熱がこもりやすくなる。人間の体は若い頃で約60%が水分ですが、高齢者は筋肉量の減少などにより約50%まで体内の水分量が減る』なるほどこれだな。

多分奥穂高岳までは行けるだろう。しかし暑さが絶好調の中での下山は滑落の危険性が高まる。このような時、自分を抑えなければ明日は無い。北アルプス迄来ておきながら稜線に出ることが出来ない、手も足も出ない山行は初めてだ。
紀美子平手前で引返す。デポを回収し、上高地に昼過ぎ到着。松本へ向かった。あとは市内観光だ。