2025年11月29日
小樽赤岩へDRYツーリングに出掛けた。今までアイスクライミングはやってはいたものの、DRYは人工壁でお遊び程度で数回だけだ。それがいきなり冬の赤岩でクライミングするらしい。何度もお世話になっているK先生に誘われてTKさんと出掛けた。大体、アイゼンを履いて冬壁を登るなんて昨年2024年12月のカミホロ化物岩以来だし、昨年だって27年ぶりなのだから自分ながら「大丈夫かおまえ!」と自問してしまった。
とはいえ、クライミングと聞かされて心が動かないはずもなく、気温5℃風強しの赤岩奥リスに向かった。まずはK先生が取付いた。アイゼンの使い方はわかるにしても、まさかアックスは思い切り振って叩くわけにはいかない。見ているとピックの先を丁寧に岩のくぼみをさがして探っている。見える部分は良いとしても、見えないところにピックを引っかけて体重をかけるのは恐ろしい。もし外れたら自分に向かってアックスが飛んでくるのだ。先生はスムーズに下部を登り右へトラバースし上段へ向かって終了した。
次は私の番だが少し緊張気味。しかし未知の領域はそれに勝る興味がある。取付くと予想どうりアックスが決まらない。ピックをカリカリさせて窪みやクラックを探しても見つからない。ようやく決まっても見えないところに引っかけたピックが外れるのが恐ろしい。手登りの場合、感覚でホールドの保持具合が判るのだが、ピックはスチールだ。神経があるはずもなく、伝わってくるのは細かな振動だけ。不安は当たり、取付きから3m程度上で早くもテンションがかかってしまった。また、力任せでも岩を破壊するので良くない。クラックはピックを突っ込みシャフトを捻ると、動かさない限りばっちり効くのを発見した。なんだかんだでようやく終了点へ到着。
TKさんは足の手術をして三カ月たち、リハビリの効果でようやく現場に復帰だ。とはいえ強力女子。何の問題もなく下部をすぎ、上部に達した。見ていると足さばきがうまい。そのうえパワーがあるので、非力な私はうらやましい。その後フランケ左、ノーマルルートと登り終了した。寒さで震えたのか、それとも恐怖で震えたのかわからないが充実した一日になった。